心の恋人

ジャズシンガーの役割とか
ポップシンガーとの違いとか
そういうものをすっごく考えていたここのところ。
3月に見たカサンドラ・ウィルソンのライブで
心の内の恋愛感情がぶわああああああああっと
吹き出して涙が止まらなくなったあの感覚が強烈で、
そこからいろいろ考えていた。
ビリー・ホリデーやシャーリー・ホーンの歌唱は
わたしにとって憧れであり、灯台のようなもの。
彼女たちの歌も同じように
スタンダードの歌詞がすうううううっと心に入ってきて
胸がぐわーーーっと熱くなる。(擬音ばかりですみません)
で、日曜日のフィリップ・ストレンジさんとのDUOがあり
フィリップがわたしの一音一音、一言一言を
繊細に拾ってくれて
ああ、この歌詞ってこういう表現があったんだ!
と、ひとつひとつが立体的になっていく不思議な感覚になった。
スタンダードの歌詞はたいがいラブソングなので
自分という媒体のなかの恋愛感情を歌詞に乗せていくようにわたしは歌う。
でもフィリップとのDUOのときは、
自分の経験とか記憶以外の力で歌っている瞬間がいくつかあった。
そして今日、フィリップと東かおるさんのCDを聴いていて
かおるさんの歌にキュンキュンきて
フィリップの曲や歌詞への愛情、こだわり、
そしてそれに呼応し表現するかおるさん。
よく知っている人だけに、繊細な違いがよくわかった。
そして、ジャズヴォーカリストは愛を語る
聞いてる人にとっての恋人なんだなーっと、やっと理解できたんです、、、
けして媚を売るとかそういうのではないのです。
もっと深いところの感情の話。
自分の心をオープンに、歌詞にそのまま乗せればいいんです。
love や heart なんかの頻出用語を
ただそのまま読むのではなく
その言葉の背景にどんな感情があって
どういう love なのか
you という言葉のニュアンス、意味、、、
ひとつひとつをもう一回さらいたい。
愛を語るにはまだまだ人生経験足りないけど、
歌手は所詮媒体なんで、すーっとしとけばいいのだと思います。
たのしい。たのしいなあ!