わたしが歌う理由

ブログは滞っておりますが、
ありがたいことにいろんな角度から歌に向き合う日々を送っております。
10代の子たちの歌をみるようになってもうすぐ2年。
レッスン中にふと思い出すのは
彼女たちの年の頃に
今の自分の状況はまったく想像もできなかったということ。
学校も家もおもしろくなくて
行き場のないわたしは
部屋でひたすら歌ってました。
高校卒業するまで一日に4、5時間は歌ってました。
どこで発表するでもなく、曲を作るわけでもなく、
好きな曲をただただ自分のため、ストレス発散のため。
誰か知らない人に聴いてもらおうにも、
親も厳しくバンド活動なんてもってのほか、
今みたいにインターネットもない時代に
そういう場をどうやって作ればいいのかもわからないし
自信なんてあるはずもなく
ただ部屋で、ひとりで歌って、
たまに友達とカラオケに行くくらい。
それしか表現方法のなかったちっぽけな青春時代を思い出すと、
彼女たちを指導する現在のわたしは、
なんだか不思議な気持ちになります。
ヴォイストレーニングなんて存在も知らず
ただがむしゃらに歌うだけで、
通り一遍の表現方法しか知らなかったあの頃のわたしができることは 、
CDを聞き込んで、歌手の表現をひとつひとつ手探りで
見よう見まねで耳コピしていくことだけ。
歌の才能というのはよくわからないけど、
わたしが歌う理由はただひとつ、
好きだから、
それだけだし、
こうやって続けられているのも、
好きだから、
それだけで、
特に伝えたいようなこともないし
ただ、素敵な楽曲を素敵に歌えてしあわせになっていたら
他の人も共感してくれて
それがしあわせで、好きだから、それだけ。
あーなんてシンプル。
好きだから。
そんなことを気づかせてくれて、ありがとう、生徒ちゃんたち。