長唄をやってみたお話
みなさまこんにちは。
わたくしはですね、実は去年の10月くらいから長唄のお稽古に通い始めて
先日、初めての発表会がありました。
なんでジャズシンガーのわたしが長唄をやってみようと思ったかと言うと、
わたくしはですね、実は去年の10月くらいから長唄のお稽古に通い始めて
先日、初めての発表会がありました。
なんでジャズシンガーのわたしが長唄をやってみようと思ったかと言うと、
- 今までずっと外国の音楽ばっかりやってて、外国に出た時に日本の文化や音楽のことを何も知らなかったから。
- 英語の発音を教える際、日本語音声学の勉強してて、上代日本語からの発音の歴史が面白くて、歌にも興味が沸いたから。
- ボイトレの勉強してて、ミックスとかベルティングのことをやったとき、これってもともと日本の歌にある発声じゃん?と思ったから。
- 日本のボイストレーニングの多くの方法は西洋のクラシックベースであり、もともと日本の気候で日本人に合った発声を昔の人はやっていたのでは、という疑問を追求するため。
というわけで、邦楽に明るい友人を介して東京在住で広島にも
お稽古場を持たれている吉住小与ひで先生をご紹介いただきました。
わたしは本当に今まで邦楽について全く何も知らなかったので
当然ながら長唄が何かも全然知らず、
突然入門したのですが、快く受け入れてくださりました。
いろいろ驚いたことがたくさんあったことを書いてみます。
- 口伝
お稽古は先生が全力で一緒に sing-along してくださる。洋式レッスンでは今までそんなことなかったので、これが口伝なのね!!!と感動。 - 楽譜が全然わからない
歌詞の横に三味線の楽譜の数字が書いてあるのですが、三味線の勉強しないと全然読めない。今までどれだけ目に頼ってきたかがよくわかりました。 - 動かず歌う
リズムに乗ったりして体を揺らしてはなりません。先生が歌うのがかっこよくてめっちゃノリノリで聞いてたら、それはダメなんだそうです。でも歌う時動かないと、意識を全て歌に込められる感じがしました。 - 正座
そう、正座です。正座で歌うのです。わたしの苦手な正座…。正座をして歌うなんて絶対無理と思っていたので最初のうちは椅子に座らせていただいていましたが、途中からこれじゃあ肚の力の入れ方がわからんと思って、お尻の下に"あいびき"(ちっちゃい枕)をめっちゃ入れてみたら大丈夫でした。 - 歌詞の意味がわからない
日本語なのに、全然わかりません。掛詞でおしゃれだったり、元ネタをおしゃれにアレンジしてたりするのだそうですが、自分に教養がないので、それがよくわかりません。古典は苦手でした。でも言葉の響きが素敵だと思います。 - ブレスの位置がすごいところにある
今まで「言葉の途中でブレスをしてはなりません」と日本語でも英語でも教わってきたのですが、言葉のフレーズの途中でガンガンブレスが入る。 - ピッチが高い
長唄の音程は真ん中より少し上目がいいようです。わたしが先生から「めってるよ(♭してるよ)」と言われている箇所をあとで録音を確認すると、ジャストくらいで西洋音楽的には合ってるんですが、三味線との雰囲気が合わない。ジャズは少しだけジャストより下目なので、そこの意識をぐいっと上げる必要がありました。 - 歌う時に扇子を持つ
これは全く知りませんでした。自分が歌う時は扇子を持ち、歌わない時は置いておき、それにも作法があります。普通の扇子でいいのかと思ったら、唄専用の「唄扇」という小さめのものがあるのだそうです。 - お囃子がかっこいい
小鼓とか、和の打楽器をまったく見たことがなかったので間近で見てめっちゃかっこいいと思いました。 - 三味線にはいろんな種類がある
各ジャンルにそれぞれ違った三味線を使うそうです。考えてみればギターだってそうですよね。 - 自分にはまるっきり日本的なセンスがない
音楽的な中身は西洋人なんだなと、しみじみ思いました。平均律は平均律なんだなと。
ざっと思い出してみるとこんな感じの発見がありました。
お稽古のときは、自分がレッスンで生徒さんに言っていることをすべて言われます。
こんな風に言ってもらえたらわかりやすいんだな、
生徒さんはこんなところがわからないんだな、
ということがすごく勉強になりました。
これからも細々と続けていきたいと思います。
10年後に何かつかめていたらいいなと思います。
読んでいただきありがとうございました。